厳冬、そして春…

肌に突き刺さるような鋭い寒風が、葉を落とした木々の間を吹き抜ける。城の門は依然として閉ざされており、表情のない二人の兵士が、門の前で睨みを利かせている。

 

鬱々とした雑木林の景色はいつからか、青々とした草原に変わっていた。路傍の花も蕾をつけて、春を今かと待ち望んでいる。