ミクロとマクロの違い(現代文)

 現代文には「ミクロ的」「マクロ的」という言葉がよく出てきます。これらの言葉は微視的、巨視的と言い換えることもできます。二つの言葉の違いは「視点」です。あるものを見る時に、それだけを見るということがミクロ的な見方であり、それを周りのものとの関係とともに広い視点で見るということがマクロ的な見方なのです。

 綺麗な星空を見たとき、「この広い宇宙からしたら自分の悩みなんてちっぽけなものだ」と感じるというエピソードを聞いたことがあると思いますが、これは「自分の悩みをミクロ的に考えていたけど、マクロ的な視点で見たらちっぽけなことだと分かった」ということになるのです。しかし、これでは悩み自体は解決していませんよね。悩みがちっぽけであることが分かったことで悩みを忘れたり、気持ちを切り替えることはできるかもしれませんが、悩み自体が根本から解決されることはないのです。つまり、ミクロとマクロは目的に応じて使い分ける、あるいはマクロ的、ミクロ的の度合いを使い分けるということが大切なのです。例えば、同じマクロ的視点でも、宇宙を考慮するのではなく人に相談してより客観的な考え方を聞くことで解決することはあるかも知れませんよね。